「経過観察」判定の放置で増える負担とは……!?


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ある日、Wさん(49歳/男性/BMI25)は、自宅のリビングで 先日受けた健診の結果表を見ていました。


「今年も『経過観察(要受診)』って書いてある……。 去年も同じような数値で、保健師さんに勧められて病院に行ったけど お医者さんからは、『様子を見ましょう』って言われただけだったんだよな……。 どうせ、受診したってまた同じことになるだろうし、今年は行かなくていいよな……」

と、Wさんが心の中で納得した時、奥さんが健診結果を覗き込んで言いました。

「あら! あなた、また『経過観察』って書いてあるじゃない! 去年病院に行ったのに、まだ結果が良くないっていうことでしょ? もう一度病院に行かなくて、大丈夫なの!?」

奥さんの言葉に、Wさんは少し心配になりました。

「やっぱり病院に行った方がいいのかな? 明日会社で保健師さんに相談してみるよ」


翌日、Wさんは同僚の保健師のところに向かいました。

(以下、WさんはW、保健師は保)


参考:「経過観察(要受診)」の判定があったら……

「経過観察」には、「受診をし、医師が経過や数値を観察する必要」がある状態と「生活習慣を改善する必要」がある状態が、あります。詳しくは上記コラムへ……

「経過観察」判定の放置で増える“負担”

W「ちょっといいかな? 相談したいことがあるんだ」

「あら、Wさん。どうしたの?」

W「実は、この間健診の結果が届いたんだけど……、今年も『経過観察』って書いてあったんだ」

「Wさんは確か去年、病院に行ったのよね?」

W「うん、その時はお医者さんに『様子を見ましょう』って言われたんだ。今年は、去年より少し数値が高くなっているけど、去年と変わらないと言えば変わらないし、今年は病院に行かなくていいんじゃないかと思うんだけど……どうだろう?」

「Wさん、その考え方は少し違っているわ。今のWさんのカラダで心配なことは、血圧や中性脂肪、血糖値が高いということだけではなくて、その状態が1年以上続いているということなの。自覚症状はなかったかもしれないけど、その間ずっと、Wさんの血管はダメージを受け続けていたのよ。このまま放置し続けると、さらに悪化して “高血圧症” “脂質異常症” “糖尿病” のように病気と診断される可能性もあるわ。そこまで行くと、色々な面でWさんにとって負担となることが出てくるかも……」

W「た……例えば?」


1カラダにかかる負担

血圧が高いと、血管の壁に常に強い力が加わり、次第に血管が硬くなります。

中性脂肪の値が高いと、血管の内側が徐々に詰まってきます。

血糖値が高いと、血管の内側に傷がつき、様々な合併症を引き起こします。

これらが長期間続くほど血管のダメージ(動脈硬化)が進行し、脳梗塞や心筋梗塞などの大きな病気の原因となります。

また、高血糖の期間が長く続くと、カラダが高血糖を“負の遺産”として記憶してしまい、その後の治療効果が低くなる(メタボリックメモリー)と言われています。


参考:

・血圧についてはこちらをご参照ください

・メタボリックメモリーについてはこちらをご参照ください


2金銭的な負担

通院や服薬など、治療のための費用がかかります。治療内容によって異なりますが、例えば糖尿病では1か月に1万円~1万5千円ほどかかることも多いようです。


3精神的な負担

通院や食事制限など、不自由な生活を強いられるため、精神的にも負担がかかります。実際に糖尿病などで治療をしている人からは、次のような声も聞かれます。

・食事制限があり、外食の時に困る。特に友人との食事は、互いに気を遣ってしまうので辛い。

・食事制限があるから、好きなものも食べられない。お酒も飲めない。

・通院のたびに血液検査をするのが、痛くてイヤだ……。

・(糖尿病の場合)インスリンの自己注射をしなければいけなくなり、さらに外出先や旅行先では注射を打つ場所やタイミングにも困る。


4社会生活への影響

健康状態に問題がある場合、仕事も思うようにできなくなってしまうことがあります。実際、産業医・上司・本人の3者で面談をした結果、出張や残業が制限されてしまったケースもあるようです。

早めの受診で、健康な未来を

W「仕事が制限されるのは、サラリーマンにとっては辛いなぁ……」

「そうよね。Wさん、ちょっとこれを見て」

『生活習慣病健診・保健指導のあり方に関する検討会 尼崎市野口緑氏資料より一部改変』


W「これは、どういう意味?」

「脳梗塞にかかった人のカラダがどういう経過をたどっていたかを示しているのよ(A氏の事例)。A氏は、最初は太っているだけだったのが、徐々に健診結果に異常が出始めているのが分かるでしょ。自覚症状が全くなかったこともあって、何も対策せず、50代になって、仕事が制限されるところまで来て初めて事の重大さに気がついたそうよ……。このデータはあくまで “一例” だけど、実際にも似たようなケースが多いのよ」

W「えっと……自分に当てはめてみると、僕は血圧と中性脂肪と血糖値が高いから……次は脳梗塞!?」

「もちろん、みんなが必ずそうなるわけではないわ。でも、その可能性も十分に考えられる状態だっていうことをきちんと理解しておいてほしいな。そして、そうならないために大事なのは、『経過観察(要受診)』の判定を放置せず、早めにお医者さんに相談して、適切な対応(服薬、生活改善など)をとることよ。負担ばっかりの未来じゃなくて、健康で楽しい未来にしましょうよ!」

W「そうだね!なるべく早く、病院に行ってみるよ!」

[まとめ]

「経過観察」判定を放置している間、ずっと自分のカラダにはダメージがかかり続けている。その影響は、カラダだけではなく、金銭的、精神的、社会的な部分にまで及ぶことも。

健診結果に「経過観察」判定があったら、「まだ大丈夫」と自己判断せず、まずは医療機関を受診しましょう!


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